太宰の『津軽』
- 読書のこと
- 2010年1月28日 22:11
![]() | 津軽 (新潮文庫) 新潮社 1951-08 by G-Tools |
初めてまともに読んだ太宰がこれっていうのは、詳しい方はどうお感じになるのでしょうか?
いやいや、とてもおもしろかったです。
東京に出て作家として成功した太宰が、風土記の執筆を依頼され、久々に生地を訪れます。その津軽周遊のなかで、彼が見たり感じたりしたことが書かれた作品です。
とはいえ、ほとんどが旧友と酒を飲んで酔っぱらいながらの雑談が主かな。それが、ちゃんと読ませる本になるのですから、いや、やはり太宰すごいなと言うべきなのでしょうか。
クライマックスは、なんと言っても乳母の「たけ」に、30年ぶりで出会うくだりです。文庫で実質200ページあまりのなか、このエピソードは最後の10ページくらいしかありません。
しかし、ここがあるから、『津軽』の高い人気があるのでしょうね。あとの190ページ分は、正直長ーい前振りに過ぎないのでは、、とは、言い過ぎでしょうか。
たけを探し回るとき太宰の心中は、懐かしさと恥ずかしさが相まっているのでしょうね。太宰はもちろん、読んでいる私たちの心拍数を上げるような文章はみごとです。
そして、ついにたけとの再会。最初はぎこちなく、あとは堰を切ったように、、うーん、愛だ(笑)
ここだけは、私も昔どこかで読んだ記憶があります。ただ、たけと会うところはフィクションらしいですね。太宰、やっぱり愛の作家なのだなー。
