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太宰の『津軽』

4101006040津軽 (新潮文庫)
新潮社 1951-08

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初めてまともに読んだ太宰がこれっていうのは、詳しい方はどうお感じになるのでしょうか?
いやいや、とてもおもしろかったです。

東京に出て作家として成功した太宰が、風土記の執筆を依頼され、久々に生地を訪れます。その津軽周遊のなかで、彼が見たり感じたりしたことが書かれた作品です。
とはいえ、ほとんどが旧友と酒を飲んで酔っぱらいながらの雑談が主かな。それが、ちゃんと読ませる本になるのですから、いや、やはり太宰すごいなと言うべきなのでしょうか。

 
クライマックスは、なんと言っても乳母の「たけ」に、30年ぶりで出会うくだりです。文庫で実質200ページあまりのなか、このエピソードは最後の10ページくらいしかありません。
しかし、ここがあるから、『津軽』の高い人気があるのでしょうね。あとの190ページ分は、正直長ーい前振りに過ぎないのでは、、とは、言い過ぎでしょうか。

たけを探し回るとき太宰の心中は、懐かしさと恥ずかしさが相まっているのでしょうね。太宰はもちろん、読んでいる私たちの心拍数を上げるような文章はみごとです。
そして、ついにたけとの再会。最初はぎこちなく、あとは堰を切ったように、、うーん、愛だ(笑)

ここだけは、私も昔どこかで読んだ記憶があります。ただ、たけと会うところはフィクションらしいですね。太宰、やっぱり愛の作家なのだなー。

コメント:2

ワルツ 2010年1月29日 03:29

ご無沙汰してます。
今年もよろしくお願い致します。

「津軽」、いいですよね。
私は単行本、未知谷版で読みました。
(写真入りです、津軽の情景、太宰の生家などが味わえます。)
よかったらまた図書館などで探してみてくださいね。

酒飲みの太宰と友人たちの情景など、人柄が溢れてて味わい深かったです。
特に、1ぴきまるまるのりっぱな鯛が5切れになってしまった場面とか!
笑ってしまいました。頭や骨、アラはどうなったのかな。ホント思わず太宰と一緒に突っ込んでました。
アラ汁にしても美味しいだろうし、からっと煮ても美味しいですのにね。のにね!たった5切れ・・・(太宰の無念が・・笑)

私もshosenさんと同じく、ラストの場面、忘れがたかったです。
ふるさとの旅の終わりを、たけと会うことにした事。
故郷に対する思いは、誰の心の中にも切なく懐かしく、いとおしいものが溢れてきますね。
小泊にあるたけと修チャ(太宰)の並んだ像を見ました。
じっと前を見つけるたけと、下ばかり見ている修チャ。でも心が通い合っている温かいものを感じます。

そうそう、太宰が文句をつけていた作家は志賀直哉だそうですよ。

shosen 2010年1月29日 21:47

ワルツさんありがとうございます
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

単行本だと、写真も大きく入れられて良さそうですね。機会があったら手にしてみたいです。

太宰へのイメージというと、、なんとなくとっつきにくくて感情の起伏が激しい人?? みたいな感じでした。
なので、ここで出てくるトホホなエピソードは、何とも意外に思えておもしろかったです。
それでも、津軽人気質に帰せられるような、人との距離感の取り方が苦手、、みたいなのはイメージ通りだなぁ、、とも思ってました。

ラストの場面は、なんだか文体まで変わったようにまで思えて、一気に読ませますよね。
とくに、やっとのことでたけの娘と出会って「この子は私と兄妹だ、私はたけの子だ」と、感情をほとばしらせるところはじーんと来ました。

志賀直哉は名前しか知らないです(笑)
太宰とは仲悪かったんでしょうか??

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