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二重洗脳

4492043470二重洗脳―依存症の謎を解く
東洋経済新報社 2009-09-18

by G-Tools

 
どこかで勧められていたこの本、、なんとも扇情的なタイトルですね。これは、ニコチンなどの依存症に苦しんでいる人は、脳が「二重の洗脳」に絡め取られている、、という意味です。

その「二重」とは、、

ひとつは「間違った期待」
ニコチン中毒で言えば、タバコが自分のストレス解消のもとであり、安らぎのもとであると思ってしまうこと。
タバコが解消できるのはその人のストレスではなく、ニコチンへの渇望だけなのです。

もうひとつは「間違った恐怖」
依存によって神経が弱り、ストレス対処能力が落ちていることに気づかず、タバコなしではこのストレスに耐えられずたいへんなことになる、、という恐怖を感じてしまうものです。

もしニコチンがストレス対処能力を向上させることに優れていたら、タバコを吸う人はすべてストレスのない生活を満喫し、吸わない人は不満が溜まりまくっていることになります。もちろん、それが間違いだとみんなわかると思いますが、中毒になっていると、それすら気づかない恐れがあるというわけです。

 
この二重洗脳の罠に引っかかると、そこから逃れようとしても中々難しい。自分がその罠に引っかかっているとわからず、やみくもに努力してしまう傾向があるからだそうです。
そしていちばん怖いのは、依存からの脱却が失敗したとき、どうして自分はダメなんだ、、と落ち込んでしまうことなのですね。

そこをどう乗り越えるかというと、「自分で変えられるもの」と、「自分では変えられないもの」をかしこく見分けることが大事なんだと書かれています。
「変えられないもの」とは、人間の力の及ばないもの。ストレスの原因が、たとえばホルモンの異常だったりする場合、それは自分の力では変えられません。
「変えられるもの」とは、たとえばストレスへの対処方法。ニコチンへの依存から、別の、健康を害さないものへと変えていくことは可能なのです。

 
そして、この「変えられるもの」と「変えられないもの」の区別は、とても仏教的に読めますね。
また、二重洗脳から逃れる方法について、単に心理的なことがらにとどまらず、規則正しい日常を送るたいせつさも説かれています。著者もこの本の中でかなり仏教に言及していますが、身心ともに整えようとする気持ちは、私たちがより良く生きようとするとき、共通するポイントなのかも知れません。

コメント:4

tenjin95 2009年12月23日 19:26

> 管理人様

なんとも恐ろしい話ですが、似たようなことはカルト宗教にも言えそうです。ご指摘の通り、弁別する能力の涵養、この辺に尽きるように思います。

shosen 2009年12月23日 21:09

tenjin95さんありがとうございます
さすがの慧眼ですね。この本の中でもカルト宗教における戦術について触れられています。
教祖以外に信じるものはない、という状況を作り出すのがカルトの特徴で、それも洗脳されているわけですよね。
アルコールやギャンブル、不倫やDV、はては「自分探し」なんかでも、同じ仕組みのようです。

ジャック 2009年12月23日 23:16

凄いタイトルですね。ある意味「頭脳改革」になるのでしょうか(笑)
良い意味だったら良いのですが、そうでないだけに質が悪いですね。
人間、自分に言い訳し出したら、ろくな事ありませんから。
反省、反省!

shosen 2009年12月23日 23:48

ジャックさんありがとうございます
おっしゃるとおりですね!
しかも、「恐怖の」とアタマにつきますよ(笑)
こういうのを、「強い意志」で乗りこえようとすると、かえって失敗するみたいですね。
自分の失敗を見るクールさと、弱点を見るあたたかさを持てればいいのですが・・。

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