たら本 第47回「この作品をこの人の声で聴きたい」
- スティーヴン・キング | 読書のこと
- 2008年12月17日 20:39

ごぶさたしておりますたら本参加です。
主催は慧さんです。こちらもごぶさたいたしております。
今回はお題のとおり、作品を選んで、しかも、それをどなたに読んでいただくか、、まで考えねばなりません。
うーん、でも、ある程度誰でもご存じの方でないといけないですよね。うちのとなりに住むおばちゃん、、なんて書いても「誰やねんそれ!」 この前テレビで見た、うちの弟に似てるおっさん、、なんて書いても「だから誰やねん!」ですしね(笑)
さてさて、そんなうわごとは放っておきまして作品選びでありますが、ここはやはり慧さんに敬意を表してキングさんで。
まずは『ドラゴンの眼』 吉永小百合さんの声がいいですね。
キングが、愛娘ナオミのために書いたファンタジー小説です。小学校高学年以上くらいかな。
主な登場人物は、平凡な国王・ローランドと才能豊かな長男ピーター、愚鈍な次男トマス。そして、王国を陰から支配しようとする魔術師フラッグ。
まんまとローランドを毒殺した魔術師は、さらにピーターを罠にはめ、トマスを王に据えて自らの権力を強大なものにしていきます。フラッグは、ほかのキング作品にも顔を出す定番の悪役。情けなどまったくなく、徹底して悪なのがいいですね。『指輪物語』のサウロンのように、「悪」を具現化したものでしょう。
児童書、、ですが、大人にもじゅうぶん通用する物語です。吉永さんの艶のある声でひとつお願いします。
また、これはハードカバーで、装丁も美しい。手に取ってわくわくする本です。。
さてお次は
この短編集所収の『しなやかな銃弾のバラード』を、片岡鶴太郎さんの声で。
作家夫婦と著作権代理人夫婦に、ある初老の雑誌編集者が語って聴かせる、切ない狂気の物語。キングの短編(中編?)の中ではいちばん好きです。
編集者が若いころ、ある有能な作家を担当しました。ところがその作家はいっぷう変わっていて、電化製品や電話を毛嫌いし、訪問者に対し異常な警戒心を持っていました。というのは、作家は、自分のタイプライターに妖精が住んでいると信じ、周りの者はその妖精を殺そうと企んでいると思い込んでいたのです。
妖精が殺されると小説が書けなくなるという恐怖にかられ、奇行をくりかえす作家。アル中の編集者も作家の狂気につられ、妖精の実在を感じはじめます。
2人の、周囲に対する不信はピークに達し、そして、、ついに取り返しのつかない事件が起こります。。
ほとんどがセリフなので、鶴太郎さんのテンポいい語りで聴かせて欲しいです。
そして最後に
この短編集所収の『黒いスーツの男』を、寺尾聰さんの声で
これはけっこうコワいですよ。
ある老人が、子どものころに出会った恐怖の体験を語る物語です。
あるとき、1人で森の中の川へ釣りに行った彼はその最中に寝込んでしまいます。
目が覚めた彼は、そこに、ある長身の男が立っているのを見ます。森には似つかわしくないスーツを着込んだその男。男の目はすべてが橙色で、体中からは硫黄の強烈な匂いを放ち、穏やかな調子で少年の母親の死まで予言します。
少年は瞬時に悟ります。男が悪魔であることを。そしていま、自分を食べようとしている悪魔を目の前にして、誰の助けも望めない森の奥にいることを。。
寺尾さんの声で親しげに語りかける悪魔、、って、なんか良さそうぢゃないですか。



